俺のもんだろ Ⅲ
だけじゃないよ!
今、思いっ切り貶しましたよね
この人……
「…もういいもん!」
ふんっと顔をそむけて、悠雅の
腕から逃れようとする。
…けど、結構強い力で掴まれていて
どうにも振りほどけない。
それどころか…
「きゃっ…」
ぐいっと腕を引っ張られて、悠雅の
胸に顔をうずめるような形に
なってしまうあたし。
「暴れないの、美夜ちゃん」
その声は、いつも通りな
意地悪な声色で…
少し悠雅の顔を盗み見ると、
とても整った綺麗な顔立ちが…
とても意地悪そうな笑みを浮かべて…
あたしを見下ろしていた。