俺様彼氏と女王様。
日向の後ろ姿をボーッと見つめた。



明日いなくなる日向。



あたしは日向の背中を押すだけ押した。



でも本当はそばにいて守ってもらいたい。



一人で出産なんて当然不安だし、日向がいないあの部屋で寝るのだって寂しい。



あたしも誰かに背中を押してもらいたい。



『寧音なら大丈夫』って言ってもらいたい…。



あたしがこんな気持ちでいる事、日向は気づかないんだろうな…。



日向の前だと強がる事しか出来ないから…。



いつ帰ってこれるかわからない状況で日向を待つのは辛い…。



あたしだって女なんだからね?



「寧音!!座りなよ!!」

「えっ!?やばっ!!」



日向のせいで座るの一人遅れたじゃん!!



後で殴る…。



アメリカ行けないくらい殴ってやる…。



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