A stellar miracle.
「…どうしよう。この服…」
べっちゃりとついた、ソフトクリーム。
体温でどうしようもないくらい溶けてしまって、今や腕から手へ、スカートへ浸食されている。
手だって、ベトベト。
洗い流したとしても、乾くまでどうすればいいのだろうか。
それを見た李南は、
「衣装に着替えちゃえば?」
なんて言って。
「は?」
「この際仕方ないって」
「…まともなの、あったかな…」
自分たちが用意したもので、一番まともな服。
そんなの、あったかどうかなんて、
「…ないし!嫌だあ―――!」
記憶にない。
片隅にも、ない。