A stellar miracle.
「仕方ないよ、緊急事態だもん。奈留」
「嫌――!サザエさんとかしたくないよ!」
「自分が良いって言ってたのに、嫌だったの!?」
「だってあれはウケ狙いだったの!まさかそれが本当に通るとは思わなかったし、こんなに人気が出るとも思ってなかったの!」
「…李南も奈留も落ち着きなよ。まともなの、あるから」
深雪が助け舟を出してくれて。
まともなのがあるって?
それを聞いた瞬間、私は助かった。
もう更衣室に用意してあるといった深雪に感謝し、更衣室に入って見てみれば、そこには制服。
ただの制服じゃない。
この規定の制服じゃない。
…―――マジですか?
アニメの、制服だったのだから。
確かこれは、学園物でコスプレも大人気だった『コードギマス』の制服だわ。
私も、見たことがある。
確かに可愛いなあとは思ったよ。
思っていたさ!
けど、アニメの制服だよ?
しかも、学校で着るんだよ?
「…そんなの、死んでも無理だ…!」
恥ずかしいに決まってる。
しかも、真っ黒な髪でこれを着ろって?
まあ、ウィッグあったからそれ借りたら誰かわからないよね…。
そう自分を説得して、着てみた。
「…ああ、もう死んだ」
けど、やっぱりコスプレだ。
本物には限りなく遠い。
てゆうか、似合ってない。
ミスマッチだ。