A stellar miracle.
私は更衣室を出て、実際に近くの男子に、
「ねえ、瀬戸【せと】くん」
と。
問いかけてみた。
けれど、
「……誰っすか?」
って!
よかった――。
なんて思っていたけれど。
一番大切なこと、忘れてた。
私、今日は―――。
「ねえ…、李南、深雪」
「うん、どうしたの?」
「……この格好じゃ、私ってわからないよね?」
私は、私じゃない、私らしくない“私”で、彼に想いを伝えるの?
「うん!わかりにくいね。きっと、よく奈留を知ってる人でも気付かないと思うよ」
「……そっか」
私はこの格好を見る。
可愛いし、私…奈留だとわからなかったら、着てもいいかななんて。
そう思ってたりもした。
けど、都筑。
あなたは、私だとわかる?