A stellar miracle.




「……奈留、」

「じゃ、私は宣伝がてらに歩きまわるから、そのついでにこの服を洗ってくるね」





私は、なんてツイてないんだろう。


ねえ、私は怖くてたまらないよ。
あなたと、一緒に居られなくなったら。
一緒に、笑いあえなくなったら。

だったら、もう。
『好き』って言わない方が、いいのかなって。




「……」




スマホを取り出し、私はラインじゃなくて、メールを送る。
ある、―――人に。

送信した瞬間に、




「…あ」




彼が。
―――前方から、彼が来る。




「…っ」




もしも。




「ははっ、馬鹿じゃねーの」




――――もしも。




「んなこと言うなよ、都筑」




彼が私に気付いてくれなかったら。





< 16 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop