A stellar miracle.
「ってか、あの子可愛くね?」
都筑の隣にいた男子が、私に気付く。
「クオリティ高っ!あれ、『コードギマス』の野田 セレナ!」
そう言った時、…彼はこちらを見た。
けれど。
「よく知ってんな」
「そりゃあ、『コードギマス』好きだからな」
ただ、―――それだけ。
私だって、きっと気付いてない。
素通りだったもの。
こんなので、言おうなんて…。
「出来ない…っ」
私は掛け出した。
ああ、私はやっぱり。
―――逃げるしかできないの。
私は屋上に走り、給水タンクの裏に隠れた。
迷惑かけるって、わかってる。
こんなことしたって、何にもならないことはわかってる。