A stellar miracle.




「え…っ、ちょっ」

「いいから。黙ってないと口に石鹸が入るぞ」




くすぐったくて、でも、その頬に触れる指先のぬくもりが、温かくて。


もう。
知らないからそんなことができるんだよ。

私は、あなたのことが好きなのに。

そんなこと、知らないからできるんでしょう?




「…」




おとなしくしてるしかできない私は、人目を気にしてる。

誰かに見られてないかなって。


だって、こんな所見られたら。
―――都筑に迷惑をかけてしまうから。

そんなことを思っていたら、




「―――気にしてるのか?」




なんて問われて。




「?」

「安達には、……俺と2人でいるところ見られたら、いけない奴でもいるのか?」

「!」




頬にあるあなたの手のぬくもりは消えない。
あなたに捕われたままの、視線は合ったまま。

そんな視線にさえも、ドキドキしていて。





< 8 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop