A stellar miracle.
「え…っ、ちょっ」
「いいから。黙ってないと口に石鹸が入るぞ」
くすぐったくて、でも、その頬に触れる指先のぬくもりが、温かくて。
もう。
知らないからそんなことができるんだよ。
私は、あなたのことが好きなのに。
そんなこと、知らないからできるんでしょう?
「…」
おとなしくしてるしかできない私は、人目を気にしてる。
誰かに見られてないかなって。
だって、こんな所見られたら。
―――都筑に迷惑をかけてしまうから。
そんなことを思っていたら、
「―――気にしてるのか?」
なんて問われて。
「?」
「安達には、……俺と2人でいるところ見られたら、いけない奴でもいるのか?」
「!」
頬にあるあなたの手のぬくもりは消えない。
あなたに捕われたままの、視線は合ったまま。
そんな視線にさえも、ドキドキしていて。