8時間目
教室に入り席に着くと同時に
後ろからせっせと着いてきていた先生が教室に入ってきた。

「はい、あいさつしよ」

その言葉に
私たちは一斉に立つ。

その時、私ははじめてしっかりと先生の顔を見ることができた。


ビシッときめたスーツ姿に短めの髪、
黒縁メガネと左頬のホクロが特徴的な
若い男性の先生だった。




決してイケメンとは言えないね、こりゃ。

なんて心の中でかなり上からの指摘をしながらも席に座った。


「今から、こないだ受けてもらった模試のテストを返します。
名前が呼ばれたら、前に取りにきてー。」




自己紹介も無しでいきなりテスト返し?
まあ、点数気になるからいいけど…


名前が呼ばれて、取りに行く。

「ほい。
えーっと、名前、『てらい』であってる?」


『寺井』の読み方以外に他になんて読むんだよ…


「はい。」

少し抜けてる人だ
と思いながら
返却されたテストを見る



うぅ…58点……。


いつも通り、社会は悪かった。

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