タイムリープ
  この物語の主人公に瑪瑙がなってしまっているのだとしたならば、やがて瑪瑙は死んでしまう。




  瑪瑙はそもそもこの物語の主人公佳乃(よしの)が不治の病で死んでしまうシーンで大粒の涙が溢れ、気がつけばいつの間にか物語の中にいたのだ。




  そしてなにもする術(すべ)を見い出せないままただその場で唖然と立ち尽くす瑪瑙……。




  そうこうするうちに読み手のいなくなったその本はいつしか道の片隅にポツンと置かれたままになった。
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