幼馴染み
真は『あはは!「あうぅ!」だってあっはははは。』とあざ笑った。

『こんのチビやろうめ!!』と思い、うずくまった私は仕返しにスネを蹴ろうとしたが返り討ちにあうと考えたのでやめた。

ちなみに真は中学生の部空手で全国大会に行ったことがある腕前だ。

とりあえず立ち上がり、お中元を渡した。

真は『おおぅ。悪いな。ま、知恵さんが渡すように言ったんだろ?』といったが私は返す言葉がなかった。

知恵とはうちの母親の名前である。

『じゃ、自転車が落ちたら呼べよ?』といって裏庭の掃除をしにいった。

真の持ってきた物干し棹で自転車を落とそうとしていると、真の双子の妹がお茶を持ってきてくれた。

真の妹は真と違って大人しく、名前は『香織』といい通称、『お払いカオちゃん』といわれている。

『お払いカオちゃん』の由来はカオちゃんにお払いをしてもらうと必ず災厄がとれ、人生がいい方向に向くからである。

『あの、お茶よかったらどうぞ・・・』とお盆に乗っていた二つの湯のみのうち、私は熊猫の絵の湯のみをとった。

カオちゃんは猫の絵の湯のみをとった。

しかし、暑い。カオちゃん熱いお茶を持ってくるなんて我慢強いな。
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