幼馴染み
しかし、カオちゃんは涼しい顔をしてお茶を飲んでいる。しかも正座で。

カオちゃんにも十年ぶりにあうので、私は『久しぶりだねカオちゃん』と言った。

『お久しぶりです。真さん。』

話が続かない。カオちゃんは静かな性格なので、自分から話すことはあまりない。

しかし、この場面でもカオちゃんに聞きたいことはたくさんある。

ひとつ、なんで暑いのに熱いお茶なのか。


ふたつ、なぜ湯のみが猫と熊猫の絵なのか。

みっつ、地面なのに正座しているのか。

どれから聞こうと考えていると真が帰ってきた。

そしていきなりこういった。

『は!?なんで真が熊猫の湯のみ使ってるのよ!!』

私は『え?これ?ダメ?』と聞くと。

カオちゃんが『ごめん。お姉ちゃん。これしかなくて・・・』と言った。

真は『真にお茶なんか出さなくていいの!客じゃあるまいし。』と鼻で笑った。

そして何か気づいた。『香織、これ熱いお茶入れたの?』

『うん。もう夕方だし・・・』

『香織、あんたの感覚は人と違うんだから夏は冷たいお茶を出すの。わかった?。』

というとカオちゃんは目を丸くして私に『ごめんなさい。』と言った。
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