1センチの世界
序章

和歌山から就職で上京して約半年が経った。
住んでみて、東京という街は極めて薄いのだと知った。
ビルとビルの間から見上げた空は、まるでスライスチーズのような薄さだ。
人間だって親身になっているようで、実は裏があるような薄っぺらな者ばかり。
リアルライアーゲームの毎日である。
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