おかしな二人


そうして、あたしは依頼者が好むようなスタイルに変身した。

ちょっとばかし清楚で、それでいて若干の知的さを漂わす雰囲気に仕上がった。

「うん。よくできてる」

鏡に映るあたしを見ての一言。

お客さん。
あたしは、リカちゃんやバービーちゃんではないんですがね。

まぁ、彼女たちのように八頭身のスタイルだったら、ウリウリなんて足蹴にされることもなかったんでしょうけど。

着せ替え人形にされたあたしと傲慢チキチキな依頼者が、さっきの待ち合わせ場所に二人で戻ると、早々に来ていた、容姿はいい、らしい彼女が、タバコをくゆらせ椅子に座り、組んだ足を貧乏ゆすりして待ち構えていた。

その彼女、あたしの姿を遠巻きで確認するや否や、ふんっと鼻から煙を立ち上げる。

おぉー、闘志漲っとりますなぁ。
こりゃあ、修羅場になるだろうなぁ。

婚約者を気取りつつ、観客のように第三者なあたし。


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