おかしな二人
受けるだけ専門の携帯電話を、丸くなったまま耳に当てた。
「もひもひ」
モゾモゾと動きながら電話に出ると、汚れ仕事の依頼が来た。
汚れ仕事とは、基本ゴミだめと化したお家のゴミ処理が多い。
足の踏み場もないくらい、玄関開けたらすぐ汚物。的な家のゴミを片っ端からゴミ袋に詰め込んで、あとは産業廃棄物として処理してしまう。
朝から汚物処理の依頼に、記憶にある異臭がこの部屋にも充満していく気がして、若干の吐き気をもよおす。
そんな幻臭をなんとか吹き飛ばし、すぐに出かける準備をして部屋をあとにした。
手にした荷物は、大量のゴミ袋と、軍手に長靴。
そして、何より大事なマスク。
まぁ、マスクをしていても、異臭がするものは、するんだけれど。