おかしな二人


「酔った勢いで言ってんじゃねぇっ」

文句と共に、ふんっ! と鼻息を力強く洩らした瞬間、バスルームのドアが開き、水上さんが出てきた。

「なんやて?」

すぅーっと目を細め、睨まれる。

ひっ、ひえぇーーっ!

なぁんでもありません。
文句なんか言ってません。
鼻息なんて、洩らしてません。

メイド服でも、セーラー服でも、何ならどこかのアニメキャラのコスチュームでも着ますからぁっ。

焦りを滲ませ、赦しを請うように縋りつく表情をする。

雇われている身の悲しさよ、アーメン。
チーンッ。

キリストと仏教が混ざっているような感じだが、そんな事は気にしない。
大体、あたしは無宗教だ。



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