おかしな二人
リビングに戻ると、すっかり遅い時刻だというのに、珍しく水上さんがまだソファに座っていた。
テーブルの上には、缶ビール。
むかい酒ですか?
ん?
ちょっと違うか。
「あかり」
「はい」
「客間、使ってええぞ」
「え?」
傍に立ち尽くすあたしを振り返り、奥にあるドアを指差す。
マジですか?
だって、客間っていうくらいだから、お客様のためのお部屋でしょ?
使用人のあたしなんかが、使っていいのだろうか?
かと言って、いつまでもリビングの隅に小汚い荷物を置いたたまっていうのもなんだけれど。