おかしな二人
これも、事務所が用意したものなのかな?
それとも、本人のもの?
よく判らないまま、ちょっと試乗してみよう、とキーを差し込み発進。
オートマの運転を忘れていない自分に感動し、マニュアルじゃなかったことに安心した。
ゆっくりと地下から外に出て、路地を抜ける。
久しぶりの運転に初めは緊張していたものの、時間が経つにつれて教習所での感覚を思い出していった。
「あ、お財布持ってくればよかった」
キーだけを手にして、手ぶらで車に乗り込んでいた。
ついでに買い物を済ませれば楽ちんだったのに、と思ったけれど、明日から一人なんだから特に色々買うものもないのか、と気付く。
どこいく当てもなく、知らない道を行き、三十分ほどでマンションへと帰ってきた。