おかしな二人
ドアホンを押すと鍵が開き、中からスーツを着た四十代くらいの男性が顔を出した。
ん?
どっかで見たような……。
思い出せずにいると、上がってくださいと促される。
「そんなに汚れているわけではないんですが、色々と処分して欲しい物がありまして」
そう前置きして説明された。
この部屋は、会社で管理して借りている物件だという事。
次に入る社内の者が決まったので、今日中に綺麗にしてもらいたいという依頼だ。
それと、個人情報が漏れる事だけは最も避けたいので、シュレッターを用意してあるから、細かくできるものは、総てそれにかけてほしいということだった。
どんな事情か知りませんが、というかこういう仕事上そんなことは知る必要もないのだけど。
どうやら、芸能関係っぽいにおいがプンプン。