おかしな二人


不思議顔で水上さんとショップを交互に見ていたら、行くぞ、と顎だけで促される。

その仕草は、普段の水上さんに戻っていて、なんだよ、やっぱり乱暴だぜ、なんて思いつつも、これが彼よね、などと納得もした。

店内に入って行く水上さんの後ろをくっ付いて行くと、明るい声の店員さんがあたしたちを迎えてくれた。

「いらっしゃいませ」
「あ、電話しておいた水上やけど」
「うかがっております」

水上さんの言葉に、店員さんはニコリとスマイル。

あたしはよく解らないまま、何をうかがっているんだ? と益々謎が深まるばかり。

「数点ご用意させて頂きましたので、こちらへどうぞ」

店員さんは、あたしの顔に柔らかい微笑を向けたあと、店の奥へと案内してくれた。
水上さんは、あたしを先に行くよう促すと、何も言わず後ろをついてくる。


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