おかしな二人


スーツを着た人は、終わったら連絡だけ入れてください。
鍵は、かけずに帰ってもらって結構です、とだけ言ってそこを出て行った。

はい。と返事を返しながら、ああ、居酒屋で見た顔だ。と思い出す。

ワサワサとコンビニに来て居た四人を仕切っていたうちの一人。

もしかして、あの関西弁のお人方たちは、芸能人?

テレビのない生活を強いられている私には、彼らがたとえ芸能人だったとしても、いちいち確かめる術もない。

毎日借金を返しながら、あったかいご飯にありつくことだけで精一杯なのだから。

なもんで、そんな事はどうでもいいや的に、仕事へと取り掛かる。

あたしは、お金さえきっちりいただければ、何でもいたします、はい。


< 14 / 546 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop