おかしな二人
「これにしよっかな」
窺うように、腕を組んで後ろに立っている水上さんを振り向いた。
水上さんは、片眉をクイッと上げてから腕組を解き、俺に訊いてんのか? みたいな抜けた顔をしたから、他に誰が居るのよっ、て顔で見返した。
水上さんは、少し考えるような素振を見せてから口を開く。
「明には、それが一番似合っとる……」
ボソリと言うと、すぐに背を向け店内をうろつき出した。
きっと、女の子に向って、似合ってる、なんて言ったのが恥ずかしかったんだろう。
こーのっ、照れ屋さん。
あたしは、心の中でからかいつつも、急に貰えたプレゼントに心が躍りっぱなしだった。