おかしな二人
次に連れて行かれたのは、自由が丘のお店。
水上さんのことだから、定食屋さんとか大衆食堂とか気兼ねなく入れるような和テイストのお店を選ぶだろうと想像してたいんだけれど、その予想は見事に裏切られる。
「ここですか?」
「おう」
「ほえぇ~」
あたしは、予想外の店構えについ息が漏れ出た。
だって連れて行かれたのは、カジュアルフレンチのお店だったんだもの。
クリーム色した明るめの外観。
入口付近には、小さな花壇が設けられ、可愛らしくカラフルな花が植えられている。
店内に踏み込めば、外観と同じクリーム色と白を基調にした壁紙が、やわらかい照明の灯りとマッチしていて心を明るくさせた。
通された予約席の傍には、外に植えられていたのとは別の種類の花たちが背の高いプランターに咲き乱れていて、巧い具合にそれが二人の席を隠している。