おかしな二人


水上さんが、こんなこじゃれたお店を知っているなんて、イメージにないんですけど。

失礼な事を思いつつ、水上さんのあとにあたしも席に座った。

向かい合いながら、可愛いお店ですね、なんて言ってみる。

「せやろ?」

あたしの言葉に、水上さんは僅かに身を乗り出して得意気な顔をした。

「女は、やっぱりフレンチかイタリアンやと思ぉてな。それに、女ってーのは、こういう雰囲気が好きやろ?」

そう言って、更に得意気に口角を上げる。

ん~、そうとも限らんですけどね。

あたし、ちょっぴり苦笑い。

だって、一昔前のメンズ雑誌に乗っていそうなデート必須プラン的な発想の水上さんがちょっと可愛くて、可笑しかったから。

すると、なんやっ! と不機嫌そうに威嚇されて、いえいえ何でもございません、あは。なんて笑って誤魔化すわけです。


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