おかしな二人
店員さんを呼んだ水上さんは、チーズフォンデュのコースを注文。
そうして、当たり前の如くワインのボトルを入れる。
昼間っから飲みますか?
飲みますよねぇ、やっぱり。
水上さんは、お酒を飲むと上機嫌になるわけだし、チーズといったらワインだろうし。
あたしも、ワインなんてこじゃれた飲み物を口にしたいし。
水上さんが少しばかり酔ってくれた方が、食事も美味しくなりそうだし。
そんなわけで、少しの反対もせず、フランスワインをあやかる事にした。
二つ置かれたグラスに、綺麗な色の紅い液体が注がれる。
トクトクトクと立てる音が心をくすぐった。
この音と香りだけで、うっとりしちゃう。
ワインなんて、ついぞ飲む機会などなかったあたしは、グラスを目線に合わせたままぽけらぁとしてしまう。
カベルネだかメルローだか知らないけれど、なんて素敵な液体だろう。