おかしな二人
「うひー。ちかれた」
総て片付け終わり、便利屋の社長に連絡を入れ、依頼主のスーツの人にも連絡をし、袋詰めにしたゴミを回収依頼してお仕事終了。
明日には、専門のクリーニング業者でも入るのだろう。
広々と何もなくなった室内を眺めていると、いつの間に来たのか、ご苦労さん、と声をかけてくる男の人が一人。
「綺麗になったなぁ」
関西弁で他人事みたいに呟き、部屋の中を見回している。
誰だろう?
深々と被ったキャップで、顔がよく見えない。
それでも、ここの部屋に入ってきて、何の疑いもなく綺麗になった、と呟くくらいだから、この仕事を依頼した会社の関係者なのだろう。
「一人で全部やったんか?」
「はい」
あ、もしかして、ここの部屋に住む人だろうか?
まぁ、仕事が終わったあたしには、関係のないことだけれど。