おかしな二人
人生の転機?!
*
そんな、極貧のあたしに転機が訪れた。
なんと、オートロックつきのマンションに生活費つきのお仕事。
月々の借金の支払いはあるものの、高給取りのバイトをあてがわれたおかげで、あくせく働かなくてよくなったんだ。
待ってました! と手を叩いて拍手喝采。
スタンディングオベーションで満面の笑みを浮かべながら、右手を軽く上げて、やぁやぁ……
なんて巧い話は世の中にはない。
そんなの、今まで生きてきた中で散々経験し学んできた。
――――はずなのに……。
「な。ええ話しやろ?」
の一言に、ワンワン。と尻尾を振ってついていってしまったのは、目の前の餌におもいっきり釣られたおバカなあたしである。
なんとも情けない……。