おかしな二人
人生の転機?!


                *


そんな、極貧のあたしに転機が訪れた。

なんと、オートロックつきのマンションに生活費つきのお仕事。

月々の借金の支払いはあるものの、高給取りのバイトをあてがわれたおかげで、あくせく働かなくてよくなったんだ。

待ってました! と手を叩いて拍手喝采。
スタンディングオベーションで満面の笑みを浮かべながら、右手を軽く上げて、やぁやぁ……




なんて巧い話は世の中にはない。




そんなの、今まで生きてきた中で散々経験し学んできた。


――――はずなのに……。


「な。ええ話しやろ?」

の一言に、ワンワン。と尻尾を振ってついていってしまったのは、目の前の餌におもいっきり釣られたおバカなあたしである。


なんとも情けない……。



< 18 / 546 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop