おかしな二人
「帰りは、来週になるから。まぁ、適当に、暮らしとけ」
「あは。わっかりました。適当に暮らしてます」
水上さんの言い回しが可笑しくて、あたしは笑いながら返事を返す。
「連絡は携帯にするから、ちゃんと持ち歩いとれよ」
「わかりました」
いちいち家電にかけられても、買い物に出かけていたり、別のバイトに出かけていたら、連絡が取れないもんね。
あたしは自分の携帯を取り出し、了承しましたというように掲げて見せる。
「ほなな」
「いってらっしゃーい」
一応、車から降りて手を振ってみたり。
水上さんは、背を向けたまま、軽く片手をクイクイッと振っただけで駅舎の中へと吸い込まれていった。