おかしな二人


「依頼内容だけど」

落ち着き払った声が、あえて他人行儀なセリフを吐く。

仕方なく、あたしは変な病気に侵されそうなリスクを抱えつつ顔を上げた。
そこには、やはり憎らしいほどの満面の笑み。

うぅ……。
なんなんだ、一体。

どうやって、探しあてた?

しかも、当たり前みたいな顔しちゃって。
どの面下げて、目の前に現れるよ。

「聞いてるのか?」
「えっ……」
「相変わらずだな。人の話は、ちゃんと聞くもんだぞ」

奴は、そう声音を優しくして言うと、あたしの頭に手を置きぽんぽんと、幼い頃したようにする。

「やっ、やめてよっ」

あたしは、咄嗟にその手を払った。
瞬間、奴は少しだけ寂しそうに目を細めたがすぐに気を取り直す。

「そういうのも、相変わらずだ」

上から目線で言ってから、クスリと笑った。

余裕過ぎるその態度が、感じ悪いことこの上ない。


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