おかしな二人


ふくれっ面をしていると、奴は話の続きをし始める。

「とにかく、依頼内容はこうだ。今付き合っている女性と別れたい。そのために、彼女と俺と明の三人で会い、明には新しい恋人のふりをしてもらう。要するに、間に入って、丸くおさめて欲しいんだ。簡単だろ?」

ちっ。
この前と、全く同じパターンじゃん。

しかも、今度の恋人がこいつだなんて、最悪すぎる!

だいたい、何が簡単だろう? だ。
そんなに簡単なら、自分で何とかしろって話だ。

「兄妹が恋人なんて、おかしいじゃんっ」

あたしは、虚勢を張るように腕を組み、言い放つ。

「大丈夫。俺ら、血は繋がってないし、相手も俺に兄妹がいることなんて、全く知らないから」

そういう問題かっ!
この、バカ兄貴。


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