おかしな二人
「昔話なんて、どーでもいいんだけど。あたしは、ここへ仕事をしに来てるの」
「真面目だねぇ~」
呆れたように息を漏らすと、クイッと肩を上げてからコーヒーカップをゆっくり口元へと運ぶ。
「それにしても、元気そうでよかった。明の事は、ずっと気になってたんだ」
あー、そうですか。
特に気にしてもらうような事は、一切ないですけどね。
つーか、気になるくらいなら、あんたも借金払いなさいよっ。
親父の残してくれたとんでもない借金、あといくらあると思ってんのよ。
大体、父親と実際血の繋がりのないあたしが借金返して、何で実の息子が、さっさと家を出てバックレられんのよっ。
神経疑うっての。
のんきにコーヒーなんか、飲んでんじゃないわよっ。
しかも、お金かけてこんなくだらない依頼して。
こんなことに使うくらいなら、借金全部払ってほしいもんだわ。