おかしな二人
「てか、夢?」
ありきたりだけれど、とりあえず自分のほっぺをぎゅうーっと抓り、痛みに涙をほんのり浮かべながらも、現実だということに口元が緩む。
今誰かにこの顔を見られたら、気持ちが悪いことこの上ないだろう。
しかーし、誰も見ていないんだ。
どんな顔してたって関係ないや。
開き直り、緩んだ口のまま奥へと進む。
ほんの少し長い廊下を抜けると、広々としたリビング。
「うっへー」
L字になった座り心地のよさそうなソファに、どでかい薄型テレビ。
対面式の広々キッチンには、これまたデカイ冷蔵庫。
「何人家族が住むんだよ」
ぼそり皮肉を零し、リビングの左側にある扉を開ける。