おかしな二人
「つれないなぁ。こんなに好意的に話しているっていうのに」
あたしの態度など全く気にせず、凌の奴は未だ落ち着き払った台詞を言っている。
こいつ、いつか絶対、木っ端微塵にしてやる。
澄ました台詞を背中で聞きながら、あたしはキリキリと歯噛みをし、ドスドスとカフェの階段を降りた。
店を出ると駅までの道を、ふんっ! ふんっ! ふんっ! と鼻息も高らかに興奮しながら歩いて行く。
くっそぉ!
どうして、あんな依頼受けちゃったのよ、あたし。
なんでもやります、やらせていただきます、とは思ったけれど、まさか奴が現れるなんて。
計算違いどころか、そんな数式どこにも組み込まれていなかったじゃない。