おかしな二人


「この際だから、はっきり言っておく」
「なに?」
「あたしは、凌。あんたの事が大っ嫌いだっ!」

あたしがそう叫ぶと、カフェ内の空気が止まった。

目の前の凌も、きょとんとしたように固まっている。

「え……。本当に?」

あたしは、大きくかぶりを振る。

「俺は、大好きなのに」

ふざけんなーっ!

どんな思考回路してんのよっ。

もおっ、無理。
絶対無理。

こんな仕事、社長に電話して今すぐ下りる。

どんだけ凌からお金握らされてんのか知らないけれど、その分払ってでもこの仕事はおりるっ。

こんな奴の相手するくらいなら、更に借金が増えようが、そっちのほうがずっといい。


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