おかしな二人
『あほかっ! もぉっ、お前らうるっさいわっ。あっちいっときぃっ、ほんまにぃ』
水上さんは、本当に困ったというような声で、メンバーを追い払っている様子。
つか、ラブコールなんて、ありえないでしょ。
あたしは、聞こえてきた声に対して苦笑い。
「あのぉ……」
メンバーとワイワイ話をしているのが長引きそうだったので、間に割って入る。
「とにかく。この仕事は、もう引き受けちゃって断れないんです。でも、ちゃんとお家の方は、毎日ピッカピカにお掃除もして、水上さんが気持ちよく帰ってこられるようにしておきますんで」
今回ばかりは、ご勘弁を。
という感じで、あたしは見えない相手へ、ぺこぺこ頭を下げた。