おかしな二人


凌は、あたしと違って、とにかく要領がいいのだ。

親や先生など、大人に気に入られる術をちゃんと把握していたし。
女の子たちの人気者になる術も心得ていた。

もちろん、容姿もいいのだから、その分常人よりかは楽にその術を行っていたとは思うけれど。

あたしは、隣に座り、真剣にスクリーンを観ている凌の横顔を盗み見る。

相変わらずの、男前だ。
悔しいくらいに、整っている。

あたしにもしも、山崎の血が片方だけ入っていたとしても、ここまで整ったパーツで生まれてくるのは難しかっただろうに。

身長も、一八九センチと恵まれていて、確かにモデルの仕事は凌に向いているな、と思った。

いつか、コンビニでファッション雑誌に出ている凌の姿を見てやってもいいかな、とも思った。

もちろん、立ち読みで。


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