おかしな二人


だって、ちょっと聞いた分には、あたしと水上さんができちゃってるようにも思われかねない。

そりゃそうよね。
一応は、一つ屋根の下なわけだし。
食事も毎朝一緒にとって、たまには外出してお酒も飲んで。
しかも、コートまで買ってもらっている。

これ、お給料という形がなかったら、囲われてるのと大差ないよ、うん。

けれど、けっしてそんなことはないし、れっきとした主従関係の中、日々首がめり込むほどどやされているわけだから勘違いされても困る。

凌は、昔から時々父親のような態度をとることがあった。
あたしが何か間違った事をすれば、当たり前のように叱りつけ、自分が思う正しい道へとあたしの足を向けさせる。

そんな凌に色々と説明するのも面倒で、あたしは水上さんところのお仕事については、多くを語るのをやめた。


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