おかしな二人
無謀に頼みすぎたたくさんのお肉を片っ端から網に置き、どんどん胃に収めていく。
凌は、サンチュやサラダ、ナムルばかりを口にして、時々思い出したようにお肉を食べるだけ。
おかげであたしのお腹は、サバンナで獲物を満足するほど食べた肉食獣よりも膨れてしまった。
うえっぷ。
くるじぃ~。
「便利屋の仕事、長いのか?」
膨れたお腹を抱えて反り返っていると、少しだけ呆れた顔を見せてから問いかけてくる。
「うん。一番長くやってるかも。きつい仕事が多いけど、お給料もそれだけいいから」
あたしは、まだまだ並ぶお肉のお皿を見ながら、隙間のなくなった胃の辺りをさする。
「そっか。……なぁ、明――――……」
凌があたしの名前を呼んだ丁度その時、傍らに脱いでおいてあったコートのポケットから、スクランブル交差点で鳴ったのと同じメロディが流れ出す。