おかしな二人


ゲッ、また水上さんだ。

もぅ、今度は何?
あれから、まだ数時間しか経ってないですよ。
ていうか、東京駅でいってらっしゃいを言ってから、日付すら変わってないんですけど。

あたしは、満腹のお腹を抱えながら呆れた表情をディスプレイに向けた。
そこには、やっぱり“水上英嗣”と名前が表示されていた。

「凌、ちょっと、ごめん……」

あたしは、個室を出て、電話に出る。

「もしもーし」
『あかりぃー、今どこにおるん?』
「え、どこって……。まだ、外です」

凌の事を持ち出せば、また話がややこしくなる気がして、曖昧に応えた。

『まだ、家に帰っとらんのかっ』
「え、あ、はい」

水上さんは、何故か怒り口調だ。


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