おかしな二人


「ありがとう」

あたしは、差し出された紙袋を素直に受け取った。

「開けてもいい?」
「おう」

水上さんの許可を得て、中に入っていた箱を取り出す。
それは、関西限定の【海老満月。たこ焼き味】と書かれたお菓子だった。

真っ赤なタコのイラストが、ニコニコと海老満月を吸盤のある手? もしくは、足? で持っている。

そんなパッケージの文字を見て、浮かぶ疑問。

「海老なのに、タコ……?」

思ったままを口にすると、目の前では水上さんの顔が引き攣りだす。

「なんや、文句あるんか?」

片眉をピクリと上に持ち上げ威嚇する水上さんに、いえいえ、とんでもございません。と右手をパタパタ振った。


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