おかしな二人


こんな風に、誰かがあたしのために気を遣ってお土産なんて事をしてくれたのは久しぶりだな。
凌が修学旅行の時に、北海道で小さなマリモが入った小瓶を買って来てくれた時以来かな。

そういえば、あのマリモはどこへいったんだろう。

苛められすぎた事に腹を立てて、庭先に投げ捨てたんだっけ?
いや、そうしようと思ってやめたんだったかな?

まぁ、どっちにしろ、もうあたしの手元にそのマリモはいない。

いなくなったマリモの行方に、何故だか心がギュッとなり、もう一度ストラップに目をやった。

とぼけた顔のタコのたこ焼き君が、どうしてだか胸を締め付ける。


< 280 / 546 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop