おかしな二人
熱くなる目の辺りと、込み上げる感情を精一杯抑え込む。
「ありがと」
あたしは、もう一度ポツリ呟いた。
「おう。わかっとる。礼は、さっきも聞いた」
「うん。……けど、本当に、ありがとう」
あたしは、込み上げる温かな感情に声が震えるのをなんとか抑ええながら、目をいっぱいに細めて口角を上げた。
喉の奥はきゅっと締まり、これ以上何かを話すのは困難に感じた。
だって、他に何かを言ってしまえば、否応なく我慢し続けていた今までのものが溢れだし、あたしはきっと水上さんを困らせてしまうだろうから。
そんなあたしの感情にまるで気づいているみたいな顔で、水上さんは、解っとる、ともう一度優しく頷いた――――。