おかしな二人
内緒の仕事とクビ
*
水上さんが大阪から戻って、一週間以上が過ぎていた。
あたしは相変わらずせせこまと働き、水上さんのお世話に精を出している。
凌には、何度か電話をしたけれど、相変わらず連絡は取れないまま。
教えてもらった番号が間違っているんじゃないか、と思えるほどだ。
けれど、依頼を実行して欲しいなら、向こうから早々に連絡があるはず。
それがないっていうことは、別れようとしていた彼女と何かあったのかもしれない。
例えば、復縁とか。
もしくは、あたしなんかに頼まなくても巧く別れられたとか。
どちらにしろ、便利屋の社長への報告もあるから凌からは連絡を貰いたいのだけれど、どうしたもんか。
「ほな、行って来るわ」
「うん。いってらっしゃい」
仕事へと向う水上さんを、一階のエントランスまで見送りにいくと、マンションの下では事務所の車が待っていた。
車の中に他のメンバーもいるのかな?
彼らとは、スタジオへ行ったときに会って以来だ。
みんな、元気にしているのだろうか?
マサシさんなんて、メチャメチャ元気な人だったよなぁ。
いつも、あんな感じなのかな?