おかしな二人


更に、それを遮るようにもう一度叫んだのは、哲さん。

「明ちゃーん。今度メシいこなぁ」

子供みたいに身を乗り出し、ご飯のお誘いをしてくれる。
その横で、うんうん。と頷くマサシさん。

あたしは、哲さんのお誘いに、楽しみにしてまーす。と声を掛けた。

すると、そんなメンバーを押さえつけるように、さっき車に乗り込んだ水上さんがメンバーの襟首を次々に引っ張り、車内へと引きずり込んでいる。
その姿が何故だか必死過ぎて、あたしは可笑しくなった。

最後に、水上さんが顔を出し叫ぶ。

「余計な事は、言わんでええねんっ!」

あひゃー。
怒られた。

あたしは、肩をすくめながら、そんな水上さんに、ゴメンなさーい。と謝った。

ふてくされたように叫んだ水上さんのあとには、シュウ君がもう一度顔を出して、照れてるだけですからぁーっ。と叫んでいる。

そうこうしているうちに車は走りだし、あっという間に見えなくなった。

マンションから遠ざかってしまった車の影を追うように見て、あたしは可笑しさに声を上げて笑った。

「本当、仲がいいんだ」



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