おかしな二人


「ビールくれ」
「はいはい」

冷蔵庫の中は、一日、二日ほどなら持つ程度の食材やなんかが納まっていた。

そこには、缶ビールも数本。
そのひとつを手にし、ついでに簡単なつまみも出す。

テーブルにそれらを置くと、水上さんはジーっとあたしの顔を見る。

え……。

あたし、なんかまずいことした?
あ、もしかしてグラスか?
そうか、グラスに入れて飲むのか。
この、こじゃれ関西人め。

心の中の突っ込みはさておき、あたしは慌ててグラスを取りに戻る。
そんで水上さんの前にグラスをコトリと置いた。
しかし、またもジーっとあたしを見続ける。


< 31 / 546 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop