おかしな二人


しばらくすると、はたと口を閉じ、じっとあたしを見る。

その目は、相変わらず大きい。
仰々しいくらいに大きい、と言ってももいいくらいだ。

そして、恐い。

その目のまま、淡々というか、あえて感情を殺したように水上さんが訊いてきた。

「好きなんか?」
「へ?」

何を言ってるんですか?

「せやから、兄貴の事が好きなんか?」
「は!? うちら兄妹ですよっ」

なんつー事を言ってくれちゃうんだ、この人は。

「せやけど、キスして抱きあっとった」

そうだけど、そうじゃないぃっ!!


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