おかしな二人
「あかん」
水上さんが、突然零す。
「え?」
「そないなことは、あかんて」
「はい?」
何を言ってるのか理解できず、あたしは間の抜けた顔する。
その顔に向って、水上さんが訴えかけてきた。
「俺が困るやんけ」
「水上さん……?」
逆切れでもしたみたいに言い出す姿に、どうしたらいいものか。
「明がおらんようになるのは、俺が困るっいうとんのやっ」
そう言い切ると、すっくとソファから立ち上がった。
あたしは、呆気にとられその姿を見上げる。