おかしな二人
問答無用の誘い
*
クビを免れて数日。
あたしは、相も変らずどやされながらも、身の回りのお世話に精を出していた。
便利屋へは先日連絡を入れ、今後の仕事依頼を丁寧にお断りしておいた。
ただし、いつかまた働くかもしれない事を考慮した言い回しはしておいたけれど。
凌からは、ぱったりと連絡が途絶えている。
奈菜美さんとお別れをして、落ち込んでいるのかもしれない、と考えたけれど。
あの凌が、そうそう傷心な気持ちをいつまでも引き摺っているはずがない。
どうせまた、海外にでも、撮影で出かけているんだろう。
まぁ、仕事が済んでしまった今。
あたしには、一切関係のないこと。
この先も、凌に会う事はないだろう。
あ、でも、焼肉ドタキャンの埋め合わせ、まだしてなかったよね。
まぁ、いいか。と思ったけれど、仕事の代金が未だ支払われてないんだった。
これ、一番大事なこと。