おかしな二人
「それなんだけどさ。あたしも色々と忙しいから、とにかく依頼料だけさっさと口座に振り込んでよ」
『随分な、言い草だなぁ。たった二人の兄妹じゃないか』
凌は切ない声音を装い、縋りつくような言い方をしてみせる。
「血の繋がりないし」
一刀両断。
『つれないなぁ。焼肉おごるぞ』
今度は、飼い犬に骨でも与えるように餌をばら撒く。
「間に合ってるし」
快刀乱麻。
『貧乏で、食べるものにも困ってんだろ?』
厚顔無恥。
「あんたに言われたくないっ!」
『ごめん、ごめん。俺の親父の借金のせいだったよな』
解ってるくせに、そんな事いうな!
全く、いちいち腹立たしい奴。