おかしな二人
「いらっしゃいませー」
大きく声を掛け、お客を気にしつつまたお弁当を並べていく。
ワサワサと、四人ほどで店内をうろつくお客たち。
履き崩したジーンズにスニーカー。
みんながみんなキャップやニット帽を被っているので、あえて顔を隠してでもいるみたい。
雑誌の前で男前やん? ありえへん、この顔っ! などと、一人騒ぐ人や、冷蔵庫の前で真剣な顔をして飲み物を選んでる人。
男なのにちょっと可愛いらしい顔をした人は、デザートの前で、なににしよ。と首をかしげている。
そのうち、あたしの並べているお弁当の場所にも一人やってきた。
「これ、ぇえかぁ?」
「はい」
関西弁で、並べたばかりのお弁当に手を伸ばしたお客は、ゆったりとしたパーカータイプのトレーナーを着込み、フードを深々と被って、飲み物も一緒に持ってレジへと置く。
あたしは、急いでレジに入り商品にバーコードを通した。